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ノースショア② モクレイア|海辺の飛行場と、牧場のお米の話

2026 10/12
ハワイのローカルスポット

カエナ・ポイントから戻ったら、今度は海沿いの道を東へ進みましょう。海とワイアナエ山脈の間に広がるのが、モクレイア(Mokulēʻia)です。

海岸のそばには、グライダーやスカイダイビングで知られる飛行場。山側には、馬や牛を育ててきた牧場の土地があります。その歴史には、少し意外なものも登場します。米を育てる田んぼです。

空の体験に挑戦するのも、海と山を眺めながら土地の話をたどるのも、モクレイアの楽しみ方。ハレイワへ向かう前に、この海辺で少し寄り道をしていきませんか。

目 次

海と山の間をドライブ

モクレイアでは、海岸とワイアナエ山脈の間に平らな土地が広がります。海の方を眺めたあとで山側へ目を移すと、浜辺、平野、山の斜面という並びが見えてきます。飛行場や牧場の歴史を持つ土地も、この山と海の間にあります。

ところで、地図で見かける「モクレイア・ビーチ」は、一つの小さな浜だけを指す名前ではありません。地名辞典『Hawaiʻi Place Names』では、カイアカ湾からキャンプ・アードマンまで、約9.7キロにわたる海岸として紹介されています。

昔からの土地の区分でいうモクレイア、カワイハーパイ、ケアリア、カエナの四つにまたがる長い海岸。その一角にある市郡の公園が、モクレイア・ビーチパークです。西側に続くカエナ・ポイント州立公園とは別の公園なので、目的地を探すときは、公園の名前まで確認しておきましょう。

海辺の滑走路から空へ

海岸沿いにあるカワイハーパイ飛行場(Kawaihāpai Airfield)は、「ディリンガム飛行場」の名前で覚えている方もいるかもしれません。

州運輸局が主な民間利用として紹介しているのは、グライダーとスカイダイビングです。地上から眺めていた海と山を、今度は空から見てみる。そんな体験を旅に加えたい方は、事業者に内容や参加条件、旅行日の運航状況を確認してください。集合場所や場内への立ち入りも、予約先の案内に従いましょう。

この飛行場の始まりは、1922年に鉄道沿いに設けられた軍の通信施設でした。第二次世界大戦中に滑走路などの整備が進み、1948年には、戦死したヘンリー・ゲイロード・ディリンガム大尉を記念してディリンガムの名が付けられます。1962年には、州による一般航空向けの利用が始まりました。

現在も土地は米陸軍が所有し、州が管理する軍民共用の飛行場です。2024年7月には、新たな50年間の賃貸借契約が始まりました。軍の訓練で民間の運航が休止することもあるため、体験を予定する際は飛行場の公式案内も確認しておきましょう。

牧場の土地で米づくり

空の話を知ったら、次は山側の土地に目を向けてみましょう。ディリンガム・ランチの歴史資料には、牧場の風景からはすぐに思い浮かばない、米づくりの記録があります。

1880年代、ポルトガル人のガスパー・シルヴァは、この土地の開発を進めました。稲作を支えたのは自噴井。地下水の圧力によって自然に水が上がってくる井戸を利用して、田んぼへ水を引いていたのです。1897年に土地を売った時点では、灌漑に使う自噴井が12本あったと記されています。

土地を購入したのは、鉄道事業家のベンジャミン・フランクリン・ディリンガムでした。カエナ・ポイントを回る鉄道や、ハレイワのホテルにも関わった人物です。①でたどった鉄道跡と、この土地の歴史が、同じ人物を通してつながります。

土地はモクレイア・ランチと呼ばれ、一家の別荘地としても使われました。ただし、米づくりがそこで終わったわけではありません。ディリンガム家の所有後にも、稲作やサトウキビ栽培のために土地を貸した収入があり、農業と一家の別荘利用が重なっていました。

息子のウォルターは、1931年ごろ、ポロ用の馬を飼うための厩舎群を整えます。ポロは、馬に乗って球を打ち合う競技。資料には、26頭分の馬房や飼料室などを備えた施設が記されています。戦後の1950年には、ウォルターが約200頭の牛を購入したことも記録されています。

田んぼ、家族が過ごす屋敷、馬の厩舎、牛を育てる牧場。同じ土地に、いくつもの使い方が重なってきました。車窓から眺める平野にも、米づくりを支えた水や、そこで働いた人々の歴史があります。

パニオロが支える牧場

ハワイの牧童は、パニオロと呼ばれます。馬に乗って牛を追う姿がよく知られていますが、ディリンガム・ランチの聞き取り記録には、牧場を動かす仕事がもう少し詳しく残されています。

2016年の文化調査で紹介された、当時の家畜管理者リーヴァイ・リタ。牛馬の世話だけでなく、敷地の草木の管理や、牧場の運営に必要な機械の修理も担っていました。動物のいる風景を支えるには、土地や道具の手入れも欠かせなかったのです。

牧場内の見学や体験を希望する場合は、施設側に受け入れ状況を確認し、案内された範囲で楽しみましょう。

古いメレと山を眺める

モクレイアという名前には、「豊かな地区」や「豊かさの島」にあたる意味が紹介されています。この土地の名は、古いメレにも登場します。メレは、歌や詠唱、詩を表すハワイ語です。

ビショップ・ミュージアムが公開する「Nani Kaʻala, he keiki na Kamaoha」は、オアフ島北西部の地名を織り込んだ恋のメレ。カアラ山から始まり、カワイハーパイやモクレイアへと視線が移っていきます。

その中で、モクレイアの平野は「模様のある敷物」にたとえられています。

道から見ていた平らな土地を、今度は山から見下ろす景色として思い描いてみましょう。広がる平野が一枚の敷物になる。地名を覚えてから読むと、メレの中に、旅で出会った場所が現れます。

同館の公開ページには、メアリー・カヴェナ・プクイによる英訳もあります。海辺のドライブで知った地名を手がかりに、メレの言葉にも寄り道してみてください。

海辺からハレイワの町へ

浜辺に立ち寄るときは、海の状態にも気をつけましょう。冬は強いうねりが入り、夏にも貿易風の影響で波が高くなることがあります。モクレイア・ビーチパークは、州のライフガード常駐ビーチ一覧には掲載されていません。海に入るなら監視員のいるビーチを選び、散策でも波が届く岩場を避け、現地の警告表示に従ってください。

モクレイアをあとにしたら、ワイアルア方面を経て東へ。次に訪ねるのは、商店や食べもののお店が集まるハレイワです。

牧場の話に登場したディリンガムは、ハレイワにホテルを開いた人物でもありました。続くノースショア③ ハレイワでは、そのホテルと町の名前のつながりをたどり、石造りの商店や橋に寄り道します。町歩きの途中には、シェーブアイスでひと休みしましょう。

この旅の出発点は、ノースショア① カエナ・ポイントで紹介しています。

出典:

  • University of Hawaiʻi at Hilo, Wehewehe Wikiwiki. “Mokulēʻia.” Entries from Place Names of Hawaiʻi (1974) and Hawaiʻi Place Names (2002): place-name meanings, coastal extent, and the distinction between Mokulēʻia Beach and Mokulēʻia Beach Park.
  • Bishop Museum. “Nani Kaʻala, he keiki na Kamaoha.” The mele, Mary Kawena Pukui’s English translation, and collection information.
  • Dillingham Ranch Agricultural Subdivision, Final Environmental Impact Statement, Appendix Part 2. Mason Architects, Historic Resources Evaluation (February 2017), pp. 5–6: rice cultivation, land acquisition, agricultural leases, family estate use, stables, and cattle ranching; Cultural Surveys Hawaiʻi, Cultural Impact Assessment, p. 141: the 2016 interview with Levi Rita.
  • Hawaiʻi Department of Transportation. “Kawaihāpai Airfield.” Current name, joint military and civilian use, management, glider and skydiving operations, and operational notices.
  • Hawaiʻi Aviation. “Dillingham (Kawaihapai) Airfield.” The 1922 communications station, wartime development, the 1948 renaming, and general aviation use beginning in 1962.
  • Office of the Governor, State of Hawaiʻi. “Gov. Green, HDOT and U.S. Army Sign 50-Year Lease for Kawaihāpai Airfield.” July 5, 2024. The lease effective July 6, 2024, and military and civilian use.
  • City and County of Honolulu. North Shore Sustainable Communities Plan. Regional geography and park classifications; Mokulēʻia Beach Park appears in Table 3-5.
  • Hawaiʻi DLNR, Division of State Parks. “Kaʻena Point State Park.” Location and classification of the park’s Mokuleʻia section.
  • Hawaiʻi Ocean Safety. “Hawaii’s Surf Seasons.” Seasonal surf conditions on the north and west shores.
  • Hawaiʻi Ocean Safety. “List of Lifeguarded Beaches.” Lifeguarded beaches and ocean safety guidance.
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