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ノースショア① カエナ・ポイント|鉄道跡を歩いて、海鳥の岬へ

2026 10/12
ハワイのローカルスポット

ノースショアを西へ。モクレイアの海沿いを進むと、やがて舗装路が終わります。ここから先は車を降りて、オアフ島の西端、カエナ・ポイント(Kaʻena Point)を目指す歩き旅です。

道のそばには、半分だけ開いたような白い花。足もとには、かつて列車が走った跡。そして岬は、遠い海を旅する鳥たちが子育てに戻る場所です。景色の中に残る小さな手がかりを拾いながら、海沿いの道をたどってみましょう。

目 次

海岸をつないだ鉄道

海岸に沿って歩き始めたら、道の形にも注目です。歩道は、オアフ鉄道土地会社(Oʻahu Railway and Land Company、OR&L)の鉄道跡と、かつての未舗装道路に沿って延びています。いま歩いている場所を、乗客や荷物を載せた列車が通っていたのです。

19世紀末、鉄道はホノルルから西岸のワイアナエを通り、カエナ・ポイントをぐるりと回ってワイアルア、さらにカフクへと延びました。農園の人や物資を運び、ハレイワへの観光にも利用された路線です。

州の歴史調査報告には、カエナ・ポイントで妻と息子と暮らしていた漁師、ロバート・L・マイヤーの話も残っています。投網漁に熟達した彼は、機関士に魚を渡し、代わりに水や生活に必要な品を受け取っていたといいます。こうしたやりとりが、岬で暮らす一家の生活を支えていました。

この区間の運行が終わったのは1947年12月。州の報告書は、戦後に軍の輸送需要が減ったこと、自動車や道路の整備が進んだことに加え、1946年の津波で線路や施設が大きな被害を受けたことを背景に挙げています。

道沿いには、線路の土台を支えた石積みや、斜面を削って線路を通した「切り通し」も残っています。線路がなくなったあとも、道の形に当時の工夫が残っています。

半分の花と、白い砂丘

道のそばで白い小さな花を見つけたら、形をよく見てみてください。五枚の花びらが片側に集まり、まるで花の半分だけが開いたよう。海岸に育つナウパカ・カハカイです。

潮しぶきのかかる砂地や小石の多い海岸にも育つ低木で、厚みのある緑の葉をつけます。葉の間に咲く小さな白い花が、海沿いの散策に彩りを添えます。

イリマ・パパは地面に低く広がり、黄橙色の花を咲かせます。オハイでは、銀緑色の小さな葉の間にサーモンピンクの花が見られます。道から、花の形や葉の色を見比べてみましょう。

海岸の地面にも違いがあります。火山岩のある場所、北岸の平らな土地に見られる隆起した石灰岩の礁。そして、砕かれたサンゴ礁に由来する明るい砂の砂丘。同じ海沿いでも、足もとの色や形は一様ではありません。

海鳥たちの子育てをのぞく

岬の自然保護区は、海鳥たちが次の世代を育てる場所です。

白い頭と体に、暗い色の翼。コアホウドリは、ハワイ語でモーリー(mōlī)と呼ばれます。英語名はLaysan albatross。広い海で過ごすこの鳥も、繁殖の季節には陸へ戻り、地上の巣で親鳥が交代しながら子育てをします。

コアホウドリが一回の繁殖期に産む卵は一つ。ハワイでの産卵は一般に11〜12月で、ひなが巣立つのは翌年の夏です。卵を温める親鳥に出会うのか、育ち盛りのひなに出会うのか。訪れる季節によって、岬で見られる姿も変わります。

もう一種、覚えておきたいのがオナガミズナギドリ。ハワイ語ではウアウ・カニ(ʻuaʻu kani)といい、土に掘った巣穴や、岩の隙間などで子育てをします。ハワイでは主に6月に卵を産み、ひなが巣立つのは主に11月です。

鳥の姿が見えない地面にも、巣穴が隠れているかもしれません。草地を近道にせず、観察は道から静かに。双眼鏡があれば、距離を保ちながら鳥たちの様子を楽しめます。

魂が旅立つと伝わる岬

海鳥たちの暮らすこの岬は、ハワイの人々が語り継いできた信仰の場所でもあります。

Kaʻenaという地名について、州歴史保存局の資料は「熱」にあたる意味を紹介しています。日陰の少ない道を歩いてくると、その言葉と岬の暑さが重なります。

ここには、魂が旅立つ場所「レイナ・ア・カ・ウハネ(leina a ka ʻuhane)」の伝承があります。州の歴史調査報告は、この伝承と結びつく大きな石灰岩の岩を紹介しています。自然保護区の案内では、亡くなった人の魂が祖先と再び会う場所と説明されています。

岬の先には、「カウアイ島の石」を意味するポーハク・オ・カウアイ(Pōhaku o Kauaʻi)と呼ばれる、海に一部沈んだ岩もあります。州の歴史調査報告が紹介する一つの伝承では、マウイが釣り針でカウアイ島をオアフ島へ引き寄せようとしたところ、大きな岩だけが引き寄せられ、それがこの岩になったといいます。

海鳥の岬を支える人々

自然保護区で目にする柵にも、理由があります。2011年に設置された、海鳥を襲うネコやマングース、ネズミなどの侵入を防ぐための柵です。細かな網目に加え、上端の曲がった覆いには、ネコが飛び越えるのを防ぐ工夫があります。

カエナ・ポイントが自然保護区になったのは1983年。それから車の乗り入れを制限したり、外来植物を取り除いて在来植物を植え戻したりと、海岸の自然を取り戻す取り組みが続いてきました。

州の報告では、柵の設置後にコアホウドリの繁殖ペアやオナガミズナギドリのひなが増えたことが紹介されています。岬の子育てを支えているのは親鳥だけでなく、植物や鳥たちの暮らす場所を手入れする人々でもあるのです。

海岸では、ハワイアン・モンクシールが休んでいることもあります。出会えたら、離れた場所からそっと眺めましょう。NOAAが勧める距離は、通常の個体から少なくとも約15メートル、母子なら約45メートル。ロープや標識がある場合はその外側にとどまり、触ったり、海へ戻そうとしたりしないでください。

帰り道まで楽しむ準備

北岸の入口から自然保護区までは片道約4キロ、往復約8キロ。岬からは、来た道を歩いて戻ります。写真を撮ったり、鳥を観察したりする時間も含め、日没前に帰れる計画を立てましょう。

道の起伏が小さくても、暑さや歩きにくい路面で疲れることがあります。日陰が少なく、飲料水の設備や北岸側のトイレもないため、十分な水、帽子、日焼け対策、歩きやすい靴を用意し、トイレは出発前に済ませておくと安心です。

西岸にも別の入口がありますが、岬を越えて車で通り抜けることはできません。波をかぶる岩場には近づかず、ごみは持ち帰りましょう。公園ではペットの同伴とドローンの使用は禁止されています。

通行状況は、出発前にカエナ・ポイント州立公園の公式案内で確認してください。

帰り道には、往路で見つけたナウパカや石積みを、反対側から眺めてみるのもよさそうです。車へ戻ったら、海沿いの道を東へ。次のノースショア② モクレイアでは、海辺の飛行場と、かつて田んぼだった牧場の物語をたどります。

出典:

  • Hawaiʻi Department of Land and Natural Resources (DLNR), State Historic Preservation Division. A Land Story for Kaʻena, Waialua, Oʻahu. Revised September 26, 2022. Place-name meaning: p. 79; Leina a ka ʻuhane and Pōhaku o Kauaʻi: pp. 112–114; railway route, closure, and surviving features: pp. 124–125; Robert L. Meyer account: p. 126.
  • Hawaiʻi DLNR, Division of State Parks. “Kaʻena Point Trail.” Railroad alignment, hiking routes, distance, terrain, and visitor guidance.
  • Hawaiʻi DLNR, Division of State Parks. “Kaʻena Point State Park.” Facilities, park rules, and access updates.
  • Hawaiʻi DLNR, Division of Forestry and Wildlife. “Kaʻena Point.” Cultural traditions, coastal dunes, and the Natural Area Reserve.
  • Hawaiʻi DLNR, Division of Forestry and Wildlife. “Naupaka kahakai.” Flower structure and coastal habitat.
  • Hawaiʻi DLNR, Division of Forestry and Wildlife. “Plants and Animals of Kaʻena Point.” Characteristics of ʻilima papa and ʻohai.
  • Hawaiʻi DLNR, Division of Forestry and Wildlife. “Mōlī.” Laysan albatross identification, breeding season, and nesting behavior.
  • Hawaiʻi DLNR, Division of Forestry and Wildlife. “ʻUaʻu kani.” Wedge-tailed shearwater identification, breeding season, and nesting behavior.
  • Hawaiʻi DLNR. “Record Year for Albatross Population at Kaʻena Point.” February 5, 2019. Predator-proof fencing and ecosystem restoration.
  • NOAA Fisheries. “Viewing Marine Wildlife in Hawaiʻi.” Recommended viewing distances for Hawaiian monk seals and mother–pup pairs.

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