ロヒアウの魂は、カウアイへ向かっていた
ペレとヒイアカの対立は終わりました。
けれど、まだ解決していないことがあります。
二度目の死を迎えたロヒアウです。
ヒイアカには、一度生き返った者をもう一度蘇生させる力は戻りませんでした。
しかも、ロヒアウのウハネ(ʻuhane=魂)は身体を離れたままです。
ロヒアウが死んだとき、ヒイアカはその魂に進む方向を示していました。
ウハネはキラウエアの地下へ降りたのではなく、ハワイ島の風下側、カウ(Kaʻū)やコナ(Kona)方面へ進みます。
そしてその後、海を越えてカウアイへ向かいました。
だからヒイアカがラーロイメハニまで探しても、ロヒアウを見つけることができなかったのです。
カウアイには、ロヒアウと深い関係にある人物がいました。
カウアカヒアパオア(Kauakahiapaoa)です。
ロヒアウのアイカーネ(aikāne)であり、ハーエナでロヒアウとともに暮らしていた人物です。
ロヒアウの魂がカウアイへ向かったことで、今度はカウアカヒアパオアが動き始めます。

今度は、カウアカヒアパオアが海を渡る
カウアカヒアパオアは、終盤になって突然現れた人物ではありません。
物語のかなり早いところから、ロヒアウのそばにいました。
ペレが眠りの中で遠くカウアイから聞こえてきたフラの太鼓を追ったとき、そのパフ(pahu=太鼓)を奏でていたのも、ロヒアウとカウアカヒアパオアでした。
そのカウアカヒアパオアが、今度はカウアイを離れます。
向かうのはハワイ島です。
少し前までは、ヒイアカがロヒアウを迎えるためにハワイ島からカウアイへ旅をしていました。
今度は反対に、ロヒアウを求めるカウアカヒアパオアが、カウアイからハワイ島へ海を渡ります。
その先には、パーホエホエに覆われたロヒアウの身体があります。
そして、ロヒアウを焼くよう命じたペレもいます。
しかし、ハワイ島へ着いても、まっすぐペレのもとへ行けたわけではありませんでした。

ワイメアの強者、アイナコ
ワイメア(Waimea)でカウアカヒアパオアを待っていたのが、アイナコ(ʻĀinako)です。
アイナコは、ワイメアで最も強い格闘の名手として知られる男でした。
カウアイから来たカウアカヒアパオアと、ワイメアのアイナコ。
二人の勝負が決まります。
勝負の前、ワイメアの女性の首長はカウアカヒアパオアに食事を勧めました。
しかしカウアカヒアパオアは、勝負が終わるまで食べないと断ります。
やがて二人が向き合いました。
アイナコが拳を放つと、その勢いで起きた風がカウアカヒアパオアの目を焼くほどでした。
しかし、拳は当たりません。
反対にカウアカヒアパオアがアイナコの手を打ち返すと、その巨体は回転しながら倒れました。
さらにカウアカヒアパオアはアイナコを持ち上げ、ワイアカ(Waiʻaka)の海側へ投げます。
そしてこの勝負も、土地の名前につながります。
アイナコの身体が落ちた場所が、プウアイナコ(PuʻuʻĀinako)と呼ばれるようになったと語られているのです。
ヒイアカの旅でモコリイの物語が現在の島につながったように、ここでも出来事とハワイの土地が結びつきます。

ハマクアでも、もう一人の強者が待っていた
アイナコとの勝負を終えたカウアカヒアパオアは、さらにハマクア(Hāmākua)方面へ進みます。
ククイハエレ(Kukuihaele)へ来ると、もう一人の強者が現れます。
カポラウラ(Kapolaʻula)です。
Hoʻoulumāhiehie(ホオウルマーヒエヒエ)の物語では、ハマクアのチャンピオンとして登場します。
ワイメアではアイナコ。
ハマクアではカポラウラ。
ロヒアウを求めて海を渡ってきたカウアカヒアパオアの旅にも、土地ごとの出来事が続いていきます。
カウアカヒアパオアはカポラウラとも格闘し、この勝負にも勝ちます。
カポラウラは、この格闘で命を落としました。
二人の強者との勝負を越え、カウアカヒアパオアはさらに先へ進みます。
目的は変わりません。
ロヒアウです。

その先で待っているのは、ペレ
カウアカヒアパオアの旅は、いよいよペレのもとへ近づきます。
ロヒアウの二度目の死から始まり、
身体を離れた魂はカウアイへ。
その知らせを受けたカウアカヒアパオアはハワイ島へ。
二人は海をはさんで、反対方向へ動きました。
そして今、カウアカヒアパオアはロヒアウが命を失った場所へ近づいています。
そこにはペレがいます。
ロヒアウを焼くよう命じたペレ。
ロヒアウを求めてカウアイからやって来たカウアカヒアパオア。
二人が、ついに顔を合わせることになります。
ところが、そのときカウアカヒアパオアの前に現れたペレは、思いがけない姿をしていました。


