ロヒアウを探して、キラウエアの下へ
ロヒアウが二度目の死を迎えたあと、ヒイアカはキラウエアの下へ向かいます。
探しているのは、ロヒアウです。
一度目に死んだとき、ロヒアウのウハネ(ʻuhane=魂)を取り戻したのはヒイアカでした。
今回も、死んだロヒアウがどこへ行ったのかを求めて、ヒイアカは地下へ進んでいきます。
ところが、キラウエアの下は簡単に通り抜けられる場所ではありませんでした。
このモオレロでは、キラウエアは幾重もの層によって守られていると語られます。
ヒイアカは、その層を一つずつ破りながら下へ進みます。
さらに下へ行こうとするヒイアカに、そこにいた存在は、行く先には入口がなく、ペレの火でさえその土台を壊すことはできないと告げます。
それでもヒイアカは引き返しません。
地面を踏みつけると、大地が揺れ、足元が裂けます。
そして、ヒイアカはさらに下へ。
四つ目の守りの層が破られたとき、その揺れはキラウエア全体に及びました。
地上にいるペレたちにも、その異変が伝わります。

四つ目の層の先、ラーロイメハニへ
四つ目の層の先で、ヒイアカがたどり着いたのがラーロイメハニ(Lāloimehani)です。
Hoʻoulumāhiehie(ホオウルマーヒエヒエ)は、ここをワーケア(Wākea)とパパ(Papa/Haumea)がいる場所として描いています。
古い時代のアリイ(aliʻi)たちもいるとされる、キラウエアの下の領域です。
これは現在のハワイ島の地図に場所を示せる土地として書くものではありません。
このモオレロの中に描かれる地下の世界です。
ヒイアカはそこへ入り、ワーケアとパパのもとへ向かいます。
目的は変わっていません。
ロヒアウを探すためです。
しかし、そこでヒイアカが知ったのは意外なことでした。
ロヒアウは、ラーロイメハニには来ていなかったのです。
しかも今回だけではありません。
カウアイで最初に死んだときにも、ロヒアウはここへ来ていなかったことが語られます。
一度目も、二度目も。
ロヒアウの魂は、ラーロイメハニにはいませんでした。
では、どこへ行ったのでしょう。

そこにいたのは、パーウオパラアだった
ロヒアウはいませんでした。
けれど、ヒイアカの知る別の人物がラーロイメハニに来ていました。
パーウオパラア(Pāʻūopalaʻā)です。
ヒイアカがロヒアウと二人で残る前、パーウオパラアはワヒネオーマオ(Wahineʻōmaʻo)と先にキラウエアへ向かっていました。
ところが、先に到着したパーウオパラアは、ペレによって打ち砕かれ、キラウエアの火口へ落とされていたのです。
その結果、パーウオパラアはラーロイメハニへ来ていました。
そこでヒイアカと再会します。
ヒイアカはロヒアウを探して地下へ来ました。
ロヒアウは見つからなかった。
けれど、旅をともにしてきたパーウオパラアを見つけたのです。
ヒイアカは、パーウオパラアを地上のキラウエアへ戻すことにします。
そして、自分がこのあと何をするつもりなのかを地上へ伝える役目を託しました。
ヒイアカは、まだキラウエアの守りを壊すことをやめていませんでした。

五つ目の層、その下にある水
地上へ戻ったパーウオパラアは、ヒイアカがすでにキラウエアを守る四つの層を破ったことを伝えます。
そして次に狙っているのが、五つ目の層でした。
ここで、物語に「水」が現れます。
このモオレロでは、五つ目の層は、大地とその下の水を隔てるものとして語られています。
つまり、ここが破られれば、水がキラウエアへ向かう道が開くのです。
しかも語られているのは、真水だけではありません。
さらにその先には海水もあり、それらが上へ入り込めば、ペレの火の領域そのものが危険にさらされます。
もちろん、これは現代の火山学を説明している場面ではありません。
Hoʻoulumāhiehieが語ったキラウエアの地下構造です。
けれど、物語の中で起ころうとしていることは、とても分かりやすい。
火のペレが住むキラウエアへ、下から水が入ろうとしているのです。
ヒイアカがもう一つの層を破れば、その道が開く。
パーウオパラアからその知らせを聞いた地上の姉妹たちも、ヒイアカがどこまで進もうとしているのかを知ります。
ロヒアウを探して地下へ降りたヒイアカ。
その旅は、いつの間にかペレの住処そのものを失わせかねないところまで来ていました。
五つ目の層を、ヒイアカは本当に破るのでしょうか。
そしてペレは、このまま妹を止めずにいるのでしょうか。


