カホアリイで、ヒイアカが選んだこと
ヒイアカとロヒアウは、キラウエアのカホアリイ(Kahoaliʻi)付近へやって来ます。
ここは、キラウエアの火口縁に結びつく場所です。
長い旅の終わりに、ヒイアカはとうとうペレのいる場所までロヒアウを連れてきました。
けれど、ヒイアカはもう、ただロヒアウをペレへ引き渡すためにここへ来たのではありません。
プナでロヒアウと二人になったとき、ヒイアカは自分がこれから取る行動をすでに示していました。
そしてカホアリイで、それを実際の行動に移します。
ヒイアカとロヒアウは接吻し、さらに親密な関係を結びました。
カウアイまで迎えに行き、死から生き返らせ、ハワイ島まで連れて帰ったロヒアウ。
そのロヒアウとの関係を、ヒイアカ自身がここで変えたのです。
しかも場所は、ペレのいるキラウエアです。
ヒイアカが選んだことは、二人だけのあいだで終わるものではありませんでした。

二人のことが、ペレに伝わる
ヒイアカとロヒアウに起きたことを、姉妹たちがペレに知らせます。
ここは、少し注意して読みたいところです。
ペレが二人のすべてを自分の目で見ていた、と単純にするのではありません。
Hoʻoulumāhiehie(ホオウルマーヒエヒエ)の物語では、ヒイアカとロヒアウが親密な関係を結んだことが、姉妹たちからペレへ伝えられます。
そして、その知らせを受けたペレの怒りは高まります。
カウアイで出会い、ヒイアカに連れてくるよう頼んだロヒアウ。
そのロヒアウと、迎えに行かせた妹ヒイアカが親密な関係を結んだ。
そのことを知ったペレは、ついに行動を起こします。
まず向けられたのは、ロヒアウではありません。
ヒイアカでした。

ペレがヒイアカから取り上げたもの
ヒイアカがカウアイへ旅立つとき、ペレは妹に力を与えていました。
その先に待つ危険な旅を進むためです。
ヒイアカはその力を持ってハワイ島を出発し、島から島へ渡りました。
旅の途中ではモオやクプアと向き合い、人を助け、最後には死んでいたロヒアウの魂を取り戻して命を戻しました。
その長い旅を終え、ようやくキラウエアまで帰ってきたところで、状況が逆転します。
ペレは、ヒイアカに与えていた力を取り上げたのです。
旅立つときには、ロヒアウを連れ帰るために与えられた力。
それを今度は、ペレ自身がヒイアカから取り上げます。
ここで起きているのは、姉妹が言い争っているだけの場面ではありません。
ペレがヒイアカに与えたものを、実際に取り戻すところまで対立が進んだのです。
しかし、それでも終わりません。
ペレが次に向けたのは、ロヒアウでした。

次にペレが命じたこと
ペレは、ロヒアウを焼くよう命じます。
その命令を受けて動くのが、ロノマクア(Lonomakua)です。
Hoʻoulumāhiehie版のロノマクアは、ペレ側で火を扱う重要な人物です。
ペレ一族がキラウエアに住み始めたころから火と結びついて登場し、ここではロヒアウに向ける火を起こします。
ペレが命じる。
ロノマクアが動く。
そして、火が起こされます。
ロヒアウにとって、死は初めてではありません。
カウアイで一度命を失い、ヒイアカによって生き返ったばかりです。
そのロヒアウが、今度はキラウエアでペレの火にさらされることになりました。
けれど、ロヒアウは何もせず、そのまま火を受けるわけではありません。
迫る火に対して、ロヒアウは自ら声を上げます。
チャントを唱えるのです。
ところが、そのチャントを聞いたヒイアカは、ロヒアウがしたことに重大な問題があると指摘します。
問題は、ただ「何を唱えたか」だけではありません。
何を、どの順番で唱えたのか。
その違いが、このあとロヒアウの運命に関わってきます。
一度は死から戻ったロヒアウ。
今度も、生き延びることができるのでしょうか。


