ついに、カウアイへ
カエナ(Kaʻena)までたどり着いたヒイアカたちは、ついにオアフを離れます。
海の向こうにあるのは、カウアイ(Kauaʻi)。
ヒイアカがキラウエアを旅立ったときから目指してきた島です。
ここまで何度も海を渡ってきましたが、今回の渡海にはこれまでとは違う意味がありました。
その先に、探しているロヒアウがいるからです。
三人は海を越え、とうとうカウアイへ渡ります。
けれど、島へ着けばすぐロヒアウに会えるわけではありません。
彼がいるのは、カウアイ北岸のハーエナ(Hāʻena)。
ヒイアカたちはまずカパア(Kapaʻa)方面から島を進み、ハナレイ(Hanalei)、ワイニハ(Wainiha)を経て、さらに北岸を目指していきます。
目的地は、もう同じ島の中です。
長かった旅も、ようやく終わりが見えてきたように思えます。
ペレが会いに行き、フラを踊る姿に心を奪われたロヒアウ。
そのロヒアウを連れて帰れば、ヒイアカの役目は果たせるはずでした。
けれど、ヒイアカがこれほど長い旅をして会いに来たロヒアウには、すでに大きな出来事が起きていました。

ハーエナでの思いがけない知らせ
カウアイ北岸を進んだヒイアカたちは、ついにハーエナ(Hāʻena)へたどり着きます。
ところが、そこで待っていたのは、ペレから頼まれた相手との出会いではありませんでした。
ロヒアウは、すでに死んでいたのです。
ハーエナには、ロヒアウの姉カフアヌイ(Kahuanui)や、親しい間柄のカウアカヒアパオア(Kauakahiapaoa)など、ロヒアウと深く関わる人々がいました。
けれど、ヒイアカがキラウエアから迎えに来たその人は、もう生きてはいません。
そのはずが、ここで旅は思いもよらない問題にぶつかります。
亡くなったロヒアウを、どうやって連れ帰るのか。
ヒイアカは、これまでとはまったく違う力を使わなければならなくなります。
ロヒアウを連れて帰るには、まず彼を「死」から取り戻さなければならなかったのです。

ロヒアウの魂を取り戻す
ヒイアカが向き合ったのは、ただ動かなくなったロヒアウの身体ではありませんでした。
ロヒアウのキノ(kino=身体)からは、すでにウハネ(ʻuhane=魂)が離れていたのです。
ロヒアウを生き返らせるには、そのウハネを取り戻し、もう一度キノへ戻さなければなりません。
そこでヒイアカは、ロヒアウの魂を取り戻すために動きます。
これまで彼女が見せてきたのは、モオやクプアと戦う力だけではありません。
傷ついた人を助け、メレや祈りを用いる力も持っていました。
そしてハーエナでは、その力がロヒアウの命そのものに向けられます。
ヒイアカはロヒアウのウハネを取り戻し、身体へ戻していきます。
さらに、ロヒアウを生へ戻すための働きかけを続けます。
やがてロヒアウの身体に、再び命が戻ります。
ペレに頼まれた「ロヒアウを連れて帰る」という役目は、ここでようやく続けられることになったのです。

生き返ったロヒアウの最初の望み
命を取り戻したロヒアウは、すぐにキラウエアへ向かったわけではありません。
彼が望んだのは、ハーエナの海で波乗りをすることでした。
死から戻ったばかりのロヒアウが、海へ行きたいというのです。
ヒイアカはその願いを受け入れ、波を起こします。
そして二人は、ハーエナの海へ出ました。
そこで現れるのが、カーネミロハエ(Kānemilohae)。
ペレやヒイアカの兄にあたる人物です。
ヒイアカはロヒアウに、羽根のマントをカーネミロハエへ渡すよう指示します。
ロヒアウはそのとおりに、マントを渡しました。
波乗りを楽しむだけなら、旅の本筋とは関係のない寄り道にも見えます。
けれど、この出会いはそうではありません。
ここでロヒアウとカーネミロハエのあいだに生まれたつながりは、ずっと後になって大きな意味を持つことになります。
長い往路を終え、ヒイアカはついにロヒアウを連れて帰ることができるようになりました。

ロヒアウを連れて、帰り道へ
ハーエナでの波乗りを終えると、ヒイアカの旅はいよいよ帰路へ入ります。
一行はカウアイを離れ、再びオアフへ向かいます。
けれど、帰り道は行きと同じではありません。
オアフへ戻ったあと、ヒイアカたちは全員が同じ道を進むのではなく、それぞれ別の動きをすることになります。
ヒイアカは陸路を進みます。
ロヒアウとワヒネオーマオ(Wahineʻōmaʻo)は、ワア(waʻa=カヌー)でオアフ西岸を進みます。
そしてパーウオパラア(Pāʻūopalaʻā)は、先にハワイ島へ戻ることになります。
ロヒアウは、いま生きて帰路についています。
しかし、ヒイアカがオアフでこれから目にするものによって、キラウエアへ帰る旅の意味は大きく変わっていくことになります。


