モロカイへ渡る、風の強い海
マウイでの旅を終えたヒイアカたちは、再び海を渡ります。
次に向かうのは、モロカイ(Molokaʻi)。
旅を続けるのは、ヒイアカ、パーウオパラア(Pāʻūopalaʻā)、そしてワヒネオーマオ(Wahineʻōmaʻo)の三人です。
ハワイ島を出てから、ヒイアカたちはすでにいくつもの土地を越えてきました。
けれど、島と島のあいだの海は、どこも同じではありません。
マウイからモロカイへ向かう旅には、強い風と海を越える難しさがありました。
三人はその海を越え、モロカイへ向かいます。
目指しているカウアイは、まだ先です。
そしてモロカイも、ただ通り過ぎるだけの島ではありませんでした。

モロカイに残る、もうひとつのヒイアカ伝承
モロカイへ渡った三人は、島を進みながら、さらに西を目指します。
このモロカイの旅には、モオ(moʻo)やクプアに関わる物語も伝えられています。
ただし、ヒイアカの物語には複数の伝承があり、細かな出来事がすべて同じではありません。
古い別の伝承に登場するのが、キキプア(Kikipua)というモオです。
キキプアは、自分の舌を細長く伸ばし、崖の切れ目に架かった橋のように見せます。
それを本物の橋だと思って渡ろうとすれば、罠にかかってしまいます。
しかしヒイアカは、その正体を見破りました。
そして自分のパウ(pāʻū=腰にまとう衣)を伸ばし、今度は自ら道をつくって向こう側へ渡ります。
非常に印象的な場面ですが、このシリーズの軸にしているHoʻoulumāhiehie版と同じ順序の出来事としては扱わず、モロカイに伝わる別のヒイアカ伝承として紹介しておきます。
本筋の三人は、モロカイを越えてさらに西へ。
次の海の向こうには、オアフ(Oʻahu)が待っています。

海を越え、オアフへ
三人はモロカイをあとにし、再び海を渡ります。
海の向こうにあるのは、オアフ。
カウアイを目指してキラウエアを出発したヒイアカたちは、ハワイ島からマウイ、モロカイへと旅を続け、ついにオアフまでやって来ます。
けれど、ここからまっすぐカウアイへ渡るわけではありません。
オアフの風上側にも、ヒイアカの物語と深く結びついた土地が続いています。
この先、三人はワイアーホレ(Waiāhole)、クアロア(Kualoa)、モコリイ(Mokoliʻi)などへと旅を進めていくことになります。
その前に、一行が向かう重要な土地があります。
カイルア(Kailua)です。
そこでヒイアカは、これまでの旅とはまったく違う出来事に出会うことになります。

カイルアで出会うカアナハウ
カイルアでヒイアカが出会うのが、カアナハウ(Kaʻanahau)です。
ここで起こる出来事は、これまでのモオとの戦いとは性質が違います。
ヒイアカがキラウエアを旅立つとき、姉ペレとのあいだには大切な約束がありました。
カウアイにいるロヒアウを、ペレのもとへ連れ帰ること。
そして旅のあいだ、ペレから課された身体に関わるカプを守ることです。
ところがカイルアで、ヒイアカはカアナハウと親密な関係を結ぶことになります。
これは、後のペレとヒイアカの関係を理解するうえでも見落とせない出来事です。
ここまでヒイアカは、行く手をふさぐ相手を退け、人を助け、いくつもの土地と海を越えてきました。
けれど今度は、外から襲ってくる敵を倒せば終わる話ではありません。
ヒイアカ自身の行動が、この先の物語に影響していきます。
そして、そのことをペレが知ったらどうなるのか。
カウアイへ向かう旅は、オアフで大きな転換点を迎えようとしています。


