カーネミロハエが、ついに動き始める
ロヒアウは、まだ二度目の死から戻っていません。
ペレとヒイアカは和解し、ヒイアカには旅立ちのときに与えられていた力が返されました。
けれど、一つだけ戻らなかった力があります。
一度生き返った者を、二度目の死からもう一度生へ戻す力です。
その力を持っているのが、カーネミロハエ(Kānemilohae)でした。
カーネミロハエは、突然この場面に現れた人物ではありません。
カウアイのハーエナで、一度目の死から生き返ったロヒアウが波乗りをしたとき、すでにヒイアカとロヒアウの前に現れています。
そのときヒイアカは、ロヒアウに羽根のマントをカーネミロハエへ渡すように言い、ロヒアウはそのとおりにしました。
さらに、ロヒアウがキラウエアでペレの火に包まれていたときにも、カーネミロハエは自らの力についてヒイアカへ知らせています。
ロヒアウの身体が石となっても、その命を取り戻す道が残されていること。
その役目を担うのが、自分であること。
長い物語の途中に置かれていたカーネミロハエの言葉が、いよいよ現実の出来事になります。

カイエイエワホで、ロヒアウの魂を得る
二度目に死んだロヒアウのウハネ(ʻuhane=魂)は、キラウエアの地下にはいませんでした。
身体を離れたあと、ヒイアカに示された方向へ進み、カウ、コナを通り、やがてカウアイへ戻っていました。
そこでアイカーネのカウアカヒアパオアに自分の死を知らせたことから、⑮の旅が始まりました。
そのロヒアウの魂を、今度はカーネミロハエが追います。
Hoʻoulumāhiehie(ホオウルマーヒエヒエ)の物語では、カーネミロハエはポラポラ(Polapola)から動き、カイエイエワホ(Kaʻieʻiewaho)でロヒアウの魂を得たと語られます。
カイエイエワホは、カウアイとオアフのあいだに広がる海峡です。
一度目の死では、ヒイアカがロヒアウの魂を探し出しました。
二度目は違います。
今度、ロヒアウの魂を確保したのはカーネミロハエでした。
同じロヒアウの蘇生でも、一度目と二度目では、それを担う人物が変わったのです。

赤い雲と虹が、海を進む
ロヒアウの魂を伴ったカーネミロハエは、海を進みます。
この場面には、Hoʻoulumāhiehieの物語らしい印象的な描写があります。
カーネミロハエのまわりにはウアココ(uakoko)がかかり、その上には虹が現れていたと語られます。
海の上を進むその姿は、赤みを帯びた雲のようにも見えました。
しかも、その中にいるのはカーネミロハエ一人ではありません。
ともにいるのは、身体を離れたロヒアウの魂です。
カウアイへ戻った魂。
その魂を求めて動いたカーネミロハエ。
そして今、二人は再びハワイ島へ向かっていきます。
火に覆われ、石となったロヒアウの身体と、そこから遠く離れていた魂。
別々になっていた二つが、ようやく再び近づき始めます。

ロヒアウ、二度目の命へ
そして、カーネミロハエによってロヒアウは二度目の死から生き返ります。
一度目に命を取り戻したとき、その役目を果たしたのはヒイアカでした。
カウアイまで長い旅をし、死んでいたロヒアウの魂を取り戻したのです。
けれど二度目は、ヒイアカではありません。
カーネミロハエです。
ハーエナの海でロヒアウから羽根のマントを受け取った人物が、今度はロヒアウに二度目の命をもたらしました。
あの波乗りの場面で結ばれた二人の関係が、ここで大きな意味を持ちます。
カウアイで一度死に、
ヒイアカに生き返らせてもらい、
長い旅の末にキラウエアへ到着し、
ペレの火によって再び死んだロヒアウ。
そのロヒアウが、もう一度生きています。
しかし、これで物語が終わるわけではありません。
生き返ったロヒアウは、カーネミロハエとともにペレのもとへ向かいます。
自分を二度目の死へ追いやったペレと、もう一度顔を合わせるためです。
そしてロヒアウは、ペレとの関係について、はっきりとした態度を示すことになります。


