世代をつなぎ舞台を輝かせる、フラ教室のスペシャリストたち
ハラウを支える人たち
フラ教室、ハラウにはさまざまな役割を持つ人々がいて、それぞれが舞台やレッスンを陰で支えています。一見華やかな舞台の裏側には、踊りの振付や儀式の準備、細やかな指導など、多くの仕事があります。この記事では、クム・フラ、カフナ・アイナ、アラカイ、オラパといった役割の人たちが、どんな思いでどんな仕事をしているのか、具体的にお伝えします。
クム・フラ(最高師範)の役割
クム・フラはハラウの中心的存在であり、新しい振付やメレ(歌)の創作を行いながら、教室全体をまとめます。例えば、生徒が振付の意味を深く理解できるよう、古代ハワイの伝説や神話を交えてレッスンを行うこともしばしばです。公演前のリハーサルでは、手や足の角度ひとつにまで厳しく目を光らせ、全体の統一感を作り上げる情熱が光ります。クムは単に踊りを教える人ではなく、文化そのものを生徒に伝える大切な役割を担っています。
Kāhuna ʻĀina(儀礼・土地の守り手)の役割
Kāhuna ʻĀinaは、フラを単なる踊りではなく神聖な儀式として成立させる大切な存在です。たとえば、稽古の前後にはパフ(太鼓)を打ち鳴らし、土地や先祖への祈りを捧げる場面もあり、その静かな声がハラウ全体に特別な空気を作ります。ティーリーフや花を用いた供物の準備を手伝いながら、生徒にハワイ文化への敬意を教えることも少なくありません。こうした儀式があるからこそ、生徒たちは心を整え、踊りにより深い意味を込めることができるのです。
ʻAlakaʻi(中級指導者・コーチ)の役割
ʻAlakaʻiは、クム・フラを支える右腕のような存在で、稽古中には生徒のステップやフォーメーションの修正を丁寧に行います。クムの教えをより分かりやすく伝えたり、クムが忙しい時には代わりに基本の動きを教えたりするのもアラカイの役割です。クムの楽器や衣装を準備することも多く、まさに「クムのお世話をする人」という一面もありますが、それだけでなく、舞台の進行を取り仕切る責任も負っています。例えば、舞台袖で並び順を確認し、緊張する出演者たちを励ます姿は、アラカイならではの頼もしさです。
ʻŌlapa(パフォーマー・ダンサー)の役割
ʻŌlapaという言葉には「速く動く者」という意味があり、その名の通り舞台上で力強く、そしてしなやかに踊るのが彼らの役目です。古典フラ(kahiko)の重厚な踊りから、現代フラ(ʻauana)の軽快な踊りまで、表情や動きで物語を伝えるパフォーマーとして、ハラウの顔ともいえる存在です。練習では繰り返し足の運びや手の動きを磨き、観客に一瞬で物語の世界を感じさせる表現力を身につけています。後輩たちにとっても憧れの存在であり、その踊りはハラウ全体のレベルを引き上げる大きな力となっています。
出典: Wikipedia “Hālau hula”, Wikipedia “Kumu Hula”, Ka ʻImi Naʻauao O Hawaiʻi Nei Institute “The Halau”, RealHula.com “Difference of Hula Studio and Halau”