統一の果てに見た孤独
血で勝ち取った王冠の重さ
カメハメハがハワイ全島を制したとき、島々はついに一つの王国となりました。民衆は新たな時代の到来に沸き立ちましたが、王の瞳には、戦で失われた数えきれぬ命が映っていたといいます。
「アロハの心を忘れてはならない」──その言葉は、彼の孤独な苦悩の裏返しでした。
出典:Kuykendall, R. S. (1938). The Hawaiian Kingdom Vol. 1; Kamakau, S. M. (1869). Ruling Chiefs of Hawaii.
ハワイ王国の礎を築く
法と秩序の時代へ
戦いを終えたカメハメハは、統治の王へと姿を変えていきました。法律を整備し、交易を推進し、民の生活を守るため尽力したと伝えられています。
西洋人の知識も取り入れながら、古き伝統を守る──その絶妙なバランスが、彼の統治の真骨頂でした。
出典:Kuykendall, R. S. (1938). The Hawaiian Kingdom Vol. 1; Kamakau, S. M. (1869). Ruling Chiefs of Hawaii.
大王のアロハ
民を想う優しき心
伝説の戦士カメハメハは、実は民に対して深い優しさを持っていたといいます。市場に現れては民と話し、困っている者にはそっと支援をしたという逸話が残っています。
そのアロハの心は、血で築かれた王国を支える、見えない絆だったのかもしれません。
涙を流しながらも、王は民の未来を想い続けていたのです。
出典:Kuykendall, R. S. (1938). The Hawaiian Kingdom Vol. 1; Kamakau, S. M. (1869). Ruling Chiefs of Hawaii.
大王の最期と遺したもの
波は未来へ響く
1819年、カメハメハ大王はこの世を去りました。王国は深い悲しみに包まれ、波はその死を悼むように静かだったと語られています。
彼の遺体は王家の伝統に従い、秘密の場所に葬られ、その場所はいまも誰も知りません。
しかし、彼が築いた王国の礎は、のちの王たちが挑む苦難の時代を支える力となりました。
次回、カメハメハの死後、激動のハワイ王国を揺るがす新たな嵐が始まります──。