【歴史⑤】王冠の影で流した涙─カメハメハが築いたハワイ王国の真実

目 次

統一の果てに見た孤独

血で勝ち取った王冠の重さ

カメハメハがハワイ全島を制したとき、島々はついに一つの王国となりました。

民衆は新たな時代の到来に沸き立ちましたが、王の瞳には、戦で失われた数えきれぬ命が映っていたといいます。

「アロハの心を忘れてはならない」──その言葉は、彼の孤独な苦悩の裏返しでした。

出典:Kuykendall, R. S. (1938). The Hawaiian Kingdom Vol. 1; Kamakau, S. M. (1869). Ruling Chiefs of Hawaii.

ハワイ王国の礎を築く

法と秩序の時代へ

戦いを終えたカメハメハは、統治の王へと姿を変えていきました。

法律を整備し、交易を推進し、民の生活を守るため尽力したと伝えられています。

西洋人の知識も取り入れながら、古き伝統を守る──その絶妙なバランスが、彼の統治の真骨頂でした。

出典:Kuykendall, R. S. (1938). The Hawaiian Kingdom Vol. 1; Kamakau, S. M. (1869). Ruling Chiefs of Hawaii.

大王のアロハ

民を想う優しき心

伝説の戦士カメハメハは、実は民に対して深い優しさを持っていたといいます。

市場に現れては民と話し、困っている者にはそっと支援をしたという逸話が残っています。

そのアロハの心は、血で築かれた王国を支える、見えない絆だったのかもしれません。

涙を流しながらも、王は民の未来を想い続けていたのです。

出典:Kuykendall, R. S. (1938). The Hawaiian Kingdom Vol. 1; Kamakau, S. M. (1869). Ruling Chiefs of Hawaii.

大王の最期と遺したもの

波は未来へ響く

1819年、カメハメハ大王はこの世を去りました。

王国は深い悲しみに包まれ、波はその死を悼むように静かだったと語られています。

彼の遺体は王家の伝統に従い、秘密の場所に葬られ、その場所はいまも誰も知りません。

しかし、彼が築いた王国の礎は、のちの王たちが挑む苦難の時代を支える力となりました。

次回、カメハメハの死後、激動のハワイ王国を揺るがす新たな嵐が始まります──。

出典:Kuykendall, R. S. (1938). The Hawaiian Kingdom Vol. 1; Kamakau, S. M. (1869). Ruling Chiefs of Hawaii.

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