風の強いあの場所に、静かな物語が流れています
オアフ島のホノルルから車でほんの20分ほど。
ヌウアヌ・パリ展望台に立つと、目の前にはコオラウ山脈と風にそよぐ深い谷、その奥に広がるカネオヘ湾が見えてきます。
そして、立っていられないほどの強風。
多くの観光客が「風がすごかった!」と驚くこの場所には、じつはただの景色以上のものがあるのです。
それは、ハワイ統一に関わる大きな戦いの舞台であり、そして今も、フラや祈りにとって大切な意味を持つ「場所」でもあります。
カメハメハ大王が制した、最後の決戦の地
1795年、ハワイ島から進軍してきたカメハメハ大王の軍が、オアフの地で待ち受ける勢力と激突しました。
その最終局面が、このヌウアヌ・パリの崖上だったと言われています。
「ヌウアヌの戦い」と呼ばれるこの戦いでは、多くの兵士が崖から落ちて命を落としたと伝えられており、
今もこの場所に立つと、強い風の中に、どこか切なさのようなものを感じる人も少なくありません。
でもそれは、ただの悲劇の地ではありません。
この勝利によって、カメハメハはハワイの主要な島々を統一する礎を築いたのです。
